脊髄刺激療法とは

痛みは、末梢から脊髄を通って脳に伝わってはじめて、「痛い」ということを認識します。痛みのある部分を支配する神経に繋がる脊髄に微弱な電気を流すと、痛みの信号が伝わりにくくなると言われています。脊髄刺激療法は、1967年にこの理論を応用して開発された治療です。

脊髄刺激療法のしくみ

脊髄刺激療法では、痛みの信号が脳に伝わる前に微弱な電気刺激により調節することによって痛みをやわらげます。ひじをぶつけたときに、ひじをさするようなことだと考えていただいてもよいでしょう。ひじを さすることによって痛みがやわらぎます。脊髄刺激療法も同様に、微弱な電気刺激によって発生する刺激感が痛みの部分を覆います。

また、痛みの症状は個人によって大きく異なり、さらに一日においても変化することがあります。そこで、脊髄刺激療法では痛みの強度に合わせて、患者さんが刺激感の入切や強弱などを調節できるようになっています。患者用プログラマという調節機器を使い、その日の姿勢や動きによる痛みの変化に合わせて、刺激感を調節します。

使用する機器

脊髄に刺激を与えるために、脊髄と脊椎の間にあるスペース(硬膜外腔(こうまくがいくう))にリードと呼ばれる導線、腹部などにペースメーカと構造が似た神経刺激装置が植込まれます。脊髄に微弱な電気を流すと心地よい刺激感で痛みの部分が覆われ、痛みがやわらぎます。
手術は通常2回に分けて行われ、リードのみを挿入する試験刺激(トライアル)で効果を確かめてから神経刺激装置を植込みます(本植込み)。本植込み後は、患者用プログラマを使い、患者さんが自分の痛みに応じて刺激を調節し、痛みをコントロールします。 

SCS_Devices

 

  • リード:脊髄に電流を流すための刺激電極が先端についている導線です。
  • 神経刺激装置:ペースメーカと構造がよく似たもので、電子回路と電池を内蔵しています。
    神経刺激装置には、充電式・非充電式の2種類があります。 
  • 患者用プログラマ
    患者さん自身が体外から神経刺激装置の上に当てて、刺激調節を操作します。 
  • リチャージャー(充電式神経刺激装置の場合)
    患者さん自身が体外から神経刺激装置の上に当てて、神経刺激装置を充電します。

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充電式神経刺激装置の特長について 

  • 小型化
    充電式電池を採用することで、従来の非充電式神経刺激装置と比べて小型・軽量化されています(神経刺激装置の重量45g、容積22cc)。そのため、植込み位置の選択性が広がり、患者さんの身体的負担の減少に繋がると期待されています。 

  • アダプティブスティム(AdaptiveStim)
    スマートフォンなどに搭載されているセンサーと類似するモーションセンサーを神経刺激装置に内蔵しています。当該センサーは世界で初めて臨床治療に応用され、装置本体に内蔵されたセンサーが立位(立っている姿勢)、仰臥位(仰向けの姿勢)、腹臥位(うつ伏せの姿勢)、左右側臥位(左向き、右向きの姿勢)および歩行状態の6つの姿勢変化を感知し、電気刺激の強さを自動的に切り替えます。これをアダプティブスティム機能と呼びます。
    これにより、従来の神経刺激装置では限界とされていた「姿勢変化に伴う刺激の過不足*」という課題を解消し、より効果的な疼痛管理を実現することで、患者さんのクオリティ・オブ・ライフ(QOL)の向上への貢献が期待できます。 

     *日本メドトロニックが脊髄刺激療法を受けている国内の患者さん(104名)を対象に行った調査では、多くの患者さんが日常生活の中で姿勢変化に伴う刺激の過不足を経験しています。また、多くの患者さんが1日に1回以上、自分で刺激調整を行っていることも判明しました(米国の調査でも、同様の結果が示されています)。既存の神経刺激装置では、姿勢変化に伴う刺激の過不足を調整するため、患者さんはその都度患者用プログラマを操作したり、あるいは特定の姿勢を避けたりする必要があり、このことが患者さんのQOL向上の妨げとなっていました。メドトロニックは患者さんの更なるQOL向上を目指し、アダプティブスティム機能を開発しました。

本サイトの内容は、医師の診察に代わるものではありません。病状や治療に関しては、必ず主治医の診断を受けてください。

Last updated: 5 Jan 2014

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